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摂理史とみ言から見た統一教憲法の主要な問題点

09 12月

摂理史とみ言から見た統一教憲法の主要な問題点

序文

最近神聖なる「天一国憲法」の名義を僭称した統一教の教会憲法が拙速に制定され、その頒布・施行が強行されようとしている。その体制と内容の水準が実に稚拙にして悪質であるため、未来の摂理史の命運が風前の灯火の危機的状況に置かれている。これに従い本統一教憲法の制定経緯とその構成体制を明らかにし、その条文が抱えている深刻な問題点を代表的な条項を中心に指摘しながら、問題解消の方案を論議してみよう。

1.統一教憲法制定の経緯と基本構成

1) 統一教憲法制定の経緯

統一教憲法は所謂「天一国法制委員会(共同委員長:金孝律、梁昌植)」(以下「法制委」とする)によって作成された。研究委員としては、金振春(事務総長)、崔ジョンチャン、文ピョンレ、金ハンジェ、増田善彦、デイビッド・カールスン、文ソンヨン、趙グァンボン、朱ジェワン、シン・ピョングン、林ヒョンジン、ド・ヒョンソブ、ユン・ドヨン、黄ジンス、朴珍用、金ヒョンゴンなどが参加したものと知られている。法制委は3つの研究分科(天一国法院、天一国生活法、他国家他宗教)に分けられ、2013年2月から5ヵ月間にわたり調査研究、発表、討論、会議などの作業の末に草案を作った。7月から8回の公聴会を通して現場の意見を収斂する形式を取って修正を経て確定した後、8月 23日に真のお父様の聖和1周年記念日に奉呈し、2014年天暦1月13日(陽2.12)頒布・施行しようと思っている。

本憲法案は韓国、米国、フランス、北朝鮮の国家憲法と、キリスト教、イスラム教、仏教、モルモン教、バハイ教、甑山教など宗教団体の憲法、英国、日本、タイなど皇室(王室)法から権力及び権威の構造と法案などを参照したと言われている。そして、2008年に真のお父様に奉呈された「天一国憲法基礎案」を批判的に分析し、その基本枠と体系及び条文の要旨を取って骨格とし、1997年に作成された「協会憲法の基礎案」(A・B案)も検討したようである。特に法制委が法源とする為に調査・分類した真のお父様のみ言資料などが公聴会の資料として公開された。法制作業は 2014年天暦1月13日に確定・公布予定で始めたが、「真のお母様の大きな関心と指示」に従って今年8月で6ヵ月短縮して強行された。それだけに内容の水準や日程進行において多くの問題があったように思われる。

最初「天一国憲法基礎案」は 2005年に真のお父様が麗水で郭錠煥会長に指示して1ヵ月後に試案が報告された後、3年余りにわたる研究作業の末に 2008年12月30日に奉呈され、真のお父様がこれをサインペンでチェックされ、手ずから修正・補完したと言われている。真のお父様は 2009年の3、4月頃から公開の席上で「天一国憲法草案」を直接作っておいたと語られた(『文鮮明先生み言選集』、第609集、199~200;第610集、171、223)。

ところが去る 2013年7月12日の「天一国憲法制定の為の公聴会」で金孝律共同委員長は、「2005年の黄善祚会長在任当時に真のお父様の指示により天一国憲法基礎案が作成されたものの日の目を見ることなく、今回法制委で多く参照した」としながら、「2009年度にも真の父母様の指示で法制委を構成までしたが予期しない出来事によって暫時中断して今日までに至った」と述べた。しかし以前に調べた事実的脈絡と真のお父様のみ言によると、これは相当部分偽証に該当する。法制委はこのように 2008~9年の間に真のお父様が手ずから修正・補正された基礎案の存在をずっと隠している。そうせざるを得ない意図と目的を本憲法案条文の検討を通じて充分に確認することができる。

2)基本構成と体制

統一教憲法は前文、家庭盟誓、本文 11章84ヵ条、付則5ヵ条から構成されている。公聴会当時は本文11章78ヵ条、付則3ヵ条だったが、最終的に本文6ヵ条と付則2ヵ条が増補された。本文の構成は第1章が総綱、第2章が天一国国民、第3章が天一国最高委員会、第4章が天政院、第5章が天議会、第6章が天法院、第7章が天財院、第8章が天公院、第9章が天一国の地域自治、第10章が選挙管理、第11章が憲法改正の順序になっている。各条文は皆問題点を抱えているが、その中で主要な問題点を選別的に調べてみよう。

2.前文と家庭盟誓

1) 前文

・・・神様は延長された悠久の復帰摂理歴史を経て文鮮明・韓鶴子ご夫妻を人類の救世主・メシヤ・再臨主・真の父母としてこの地に送られた。真の父母様である文鮮明・韓鶴子ご夫妻は人類が失ってしまった神様のみ言を探して全世界に宣布し、全ての宗教の理想を成し遂げて神様の真の愛・真の生命・真の血統を永遠に天宙的に定着させ相続して下さった。・・・真の父母様は復帰摂理を通して最終一体を成し、全ての使命を完成・完結・完了することによって天一国の永遠の平和の王の地位を備えた土台の上に、天一国元年天暦1月13日に実体的天一国の出発である基元節を宣布された。

憲法の序文であり公布文に該当する前文は一般的に憲法成立の由来と歴史的過程、制定の目的、憲法が目標とする理念と価値、憲法構成の指導的原理、制定者と制定日付などで規定される。例えば大韓民国憲法の前文ではこうした構成要素に忠実でありながら、特に憲法の基本原理として国民主権主義・基本権尊重主義・権力分立主義・文化国家主義・国際平和主義・福祉国家主義・社会的市場経済主義の大部分を宣言し、各条で具体的事項を規定している。

しかし、統一教憲法前文は憲法成立の由来として真の父母様(実際は真のお母様)の規定に過剰に重点を置いているために、憲法の理念や価値、基本原理などの主要事項が全面的に抜け落ちている。それに真の父母様の位格と地位と役割についても摂理史の手順的実現原理によって正しく規定できず、真のお母様の地位を真のお父様と同格に対峙させることに過度に集中している。冒頭から均衡感覚を喪失したような偏向的性格は本文全般にわたって同一の形態で構造化されている。

神様と真の父母様に侍り宗教・国境・人種・文化などの壁を超越する真の愛の心情文化を燦然と輝かせ美しく花を咲かせる中で完全な男女平等を追求し・・・

こういう美辞麗句は統一家の内部葛藤と軋轢と派閥構造が深化している跛行的現実において万人の嘲笑の種を自ら招く虚構的規定に過ぎない。

特に「完全な男女平等の追求」は非常に突発的かつ突拍子もない規定に他ならない。その土台には「真の父母」中心の摂理史が女性主義的視覚と観点から再解釈された「真の母神論」や「真の母メシヤ論」の偏向的論理が介入されている。[1] 真のお父様は既存の父なる神の神学を超越して真の父母の神思想、真の父母のメシヤ思想を究明し、窮極的に天地人真の父母定着摂理によって実体神学のモデルを確立しようとした。この為の過程において神様の真の愛による母性の本質的解放と価値回復、理想家庭回復を主唱し、真のお母様と世界女性運動を通じて普遍的実践基盤を構築した。それにも関わらず天一国国民の平等権保障規定条項の下位項目にも該当するべき両性平等規定を憲法前文に掲げたのは非常に不適切である。

「女性主義的であることが即ち原理的なことか」という問いには当然多くの疑問が提起される。例として、性差別と偏見に挑戦し両性平等を実現する過程において男性を相手どった政治的闘争的な女権回復を前提として正常な家族理想自体に懐疑的であったり、性に関する定義、離婚に関する観点、同性愛、家族解体などに関する視覚でも相当部分、原理のみ言に反する論点を含んでおり、天一国の倫理規範と実践の上で様々な論難の素地を抱えている。真のお父様は「女権時代と言って女達が親分だと言いながら夫を否定し無視する王権ではない。神様と真の父母が立てた原理原則による法に従っていかなければならない。真のお母様が横的同位圏に立つとしても、主体である真のお父様の指導を受ける」と強調された。[2] それにも関わらず統一教憲法は「完全な男女平等の追求」を別途に規定することによって真のお父様と何らの差のない真のお母様の「完全な」地位と権限を規定し、独占権力確立の理念的基礎として活用しようとしているのである。

2)家庭盟誓

統一教憲法は「天一国憲法基礎案」の枠を手本として前文の次に「家庭盟誓」全8節を掲げている。「家庭盟誓」は真のお父様が祝福家庭の理念と理想を含めた形で編成して残された天一国の最上位の母法の地位を持つ。特に2005年以後「天一国憲法基礎案」作成過程において真のお父様が何度も強調されたのは、天一国憲法は徹底して「家庭盟誓」を基礎にしなければならないということと、堕落、罪悪、救援、復帰などの概念が含まれてはならないということだった。

ところが真のお父様が制定された「家庭盟誓」文案を任意に改ざんし毀損するのに加担した当事者たちが、それを標準に真のお父様が創業された天一国の最初の憲法を制定するとして進み出るというのは全く理屈に合わない話である。先ず改ざんされた「家庭盟誓」原文の復元からやり遂げた後に、その標準を厳守する土台の上に憲法制定を云々すべきである。改ざんされた「家庭盟誓」を押し立てた憲法はそれ自体が既に最上位の母法に対する違憲であり不法であり冒涜である。[3]

3.総綱(第1章)

1) 祝福権

第7条(祝福結婚に関する権限)

1.真の父母様だけが祝福結婚の権限を持つ。

2.真の父母様は必要な場合に限り祝福結婚の権限を委任することができる。

祝福結婚とは本来神様が完成した子女たちに直接施される固有の特権である。真の父母様は 1960年4月の聖婚と共に神様からその権限の相続を受けて代行し、祝福を受けた子女の家庭が成長して独立性を持つようになれば、その権限を委譲して自分の子女たちを代々祝福することができるようにされる。そういう理由から天一国の最上位の母法である 「家庭盟誓」の第6節では「神様と真の父母様の代身家庭として天運を動かす家庭になり天の祝福を周辺に連結させる家庭を完成すること」と明示されている。これは祝福中心家庭が神様と真の父母様を代身して天の祝福を拡張し、万民の前に平等に分け与えられる家庭的な福の機関になる権利と責務を規定しているのである。[4]

真の父母様は 1997年に360万双の予備祝福活動が完了段階に至るや、6月5日(陰暦5月1日)の真の万物の日に祝福家庭に祝福執礼権を伝授した。1999年10月10日の双十節宣布により祝福家庭の直系子女祝福時代を予告され、10月23日の総天宙祝福解放宣布によって重生式・復活式・永生式を通した自律祝福活動が公式化された。2000年9月24日に文興進様と文顯進様に真の父母様祝福権を委譲された後に祝福家庭に対する入籍祝福式を施された。続いて2001年1月4日に祝福家庭直系子女祝福権が伝授された。[5]

第7条の条文はこのような脈絡の摂理的結実の遺産を反映することができていない。「権限を委任することができる」という任意規定や、「必要な場合に限り」という制限は正しくない。祝福結婚に関する権限はかなり前に真のお父様から真の子女様と祝福中心家庭に委任されており、今やそれを直ちに履行するばかりとなっている。こういった事実を無視し、まるで祝福権を真のお母様偏重の独占権力行使の手段や道具程度に格下げして悪用しようとしてはならず、既に委任された包括的権限を現実化して効果的に施行することに尽力すべきである。このような誤謬規定の憲法が施行されると、祝福普遍化の制度的定着は遥かに遠くなってしまう。

2)天一国の主権

第10条(主権)

1天一国の主権は、神様と真の父母様に起因する。

2天一国の主権は、天一国国民を通して実現される

天一国の主権が誰にあるのかが明確にできていない。主権の所在は即ち権力の所在と関連する。主権原則を採択する規定は国家理念実現の手段を決定し、その制度的な実現として選挙や投票、地域分権自治などの権利実現の規定を左右する。主権の所在が明確でないと権力の所在も混乱する。こういう点から本憲法案は次々と曖昧模糊たる文章を羅列することによって混乱を助長している。そういう煙幕戦術の挙句に、主権の所在とは関係なく、全ての権力を特殊層に集中させ独占体制が構築されている。

「家庭盟誓」の第1節には「天一国主人、私たちの家庭は真の愛を中心として、本郷の地を求め、本然の創造理想である地上天国と天上天国を創建すること」とされている。その他にも、どの節にも同一の意味が含まれており、天一国は真の家庭を含めた祝福中心家庭を通じて創建され完成されることを明示している。統一教憲法でも「祝福家庭は神様と真の父母様を中心とした天宙大家族の構成員」(第23条第2項)と定義され、「天一国は祝福家庭の理想完成を土台として実現される」(第8条第2項)とされ、祝福家庭単位の国家構成原則を間接的に提示している。ところが、第16条第1項では「天一国国民は神様と真の父母様に侍り真の父母様の教えに従う者とする」とされ、極めて個人的信仰要件の次元から規定することによって一貫性を喪失している。しかも「天一国国民」(第2章第1節)と「真の父母様の家庭(真の家庭)と祝福家庭」(第2節)が別途に分離させており、天一国国民と祝福家庭の義務さえ別途に規定している。これらは欺瞞策略の一環として企てられた不健全かつ不確実な諸規定の中でも代表的な条文に該当する。

3)天一国の領土

統一教憲法には国家成立の三大要素として主権、国民、国土の中で天一国の国土、即ち領土に対する規定が欠落している。国民が永住する国土も定めることができないで、どうして主権と国民を論ずることができるのか。真のお父様の過去の摂理路程の足跡を詳しく見てみると、天一国国民が定着して生きていく生活の土台を準備しようと北米と南米、オセアニア、麗水・順天などの地を遍歴され、血の滲む精誠と苦労を繰り返えしてこられた。真のお父様は「五大洋の海洋圏の何処も私の故郷の地として独立させる為に私の足の裏の皮が破れ血の涙を流さない所がない」と吐露された。そう語られながら、定州の故郷の地に定着するまでは 85年の生涯の帰着地である麗水・順天一円が故郷の地を代身するとされ、その所を基地にして後天時代の新天新地の祖国光復を成し遂げようと力説された。[6] しかし統一家の指導部は真のお父様がそうまでして耕して来られた定着の諸基盤を縮小し処分してきた。

さらには、天一国を地上と天上を調和させる天宙的次元の国と規定した以上、地上の領土の定着と共に天上の領土の定着に関する基本的な定義も成し得なければならない。真のお父様は「霊界は神様が創造して下さった我々人間の永遠不滅の故郷」と規定された。そんな理由から天一国の最上位法である「家庭盟誓」の第1節には「本郷の地を求め、本然の創造理想である地上天国と天上天国を創建すること」とされており、第5節には「毎日、主体的天上世界と対象的地上世界の統一に向かい、前進的発展を促進化すること」と明示されている。[7] それにも関わらず統一教憲法はこのような領域に対する何らの定義を持つことができていない。国家構成の基本要素さえ釈然たる定義ができていないまま、権力体系の成文化にのみ執着している様子である。

4)天一国の義務

第11条(義務)

天一国は、天一国国民の福祉と権益向上のために、政策を樹立・遂行しなければならない。

一国の憲法と言いながら国家の義務条項がこれほどまでに貧弱であり得るだろうか。たった1行、「国民の福祉と権益向上」とは実に単純で安逸で形式的だ。前文において憲法が志向する価値や国家運営の基本原理が明瞭に定義できていないため、それらを実在的に具現すべき条文も当然ながら曖昧かつ不誠実なものにならざるを得ないのである。

例えば、国民に対する保護義務や、平和的統一政策とか、心情文化の暢逹及び摂理的伝統継承発展に対する義務や、さらには国際関係での平和維持努力、戦争に対する立場、一般国家との政治的関係における立場、国連を始めとした各種の国際機関及び国家間の外交関係、国際法上の地位確保努力など、天一国理想の実体的具現の為の対外的義務事項に関する規定が全く無い。

4.天一国国民(第2章)

1) 天一国国民の権利と義務

原理のみ言によれば、創造本然の人間は神的価値、唯一無二の価値、天宙的価値、永遠の価値を共に同等に持つ。天一国国民とは即ちこのような崇高な価値を基盤としてそれに相応する権利が保障され、また実現されなければならない。しかし、統一教憲法は寧ろそういう規定を意図的に排除させている。ただ、統制権力の地位と権限の確保に没頭した挙句に国家存立の土台となる国民の尊厳な価値と権利に関する条項は実に形式的な水準で列挙されている。本文11章84ヵ条の中で権利と義務は各々1ヵ条ずつ僅か2ヵ条でしか扱われておらず、その内容が極めて不誠実である。国民の存在意味に対し如何に無関心でいい加減であるかを端的に表現している実態と言える。これに比べ統一教憲法がその相当部分を借用した大韓民国憲法には「国民の権利と義務」に関して本文10章130ヵ条の中で1章30ヵ条という膨大な分量で規定されている。前文で基本権の保障を宣言し、本文で人間の尊厳と価値、幸福追求権などの基本権尊重主義の大原則を規定した後に、個別的な基本権を各条項で詳細に定義している。

現代的な憲法は生存権的基本権を明示し、全ての国民に人間らしい生活を保障し、福祉の向上を持たらしめる法治国家の理念に立脚している。近・現代国家は一様に人間の尊厳性と不可侵の基本的人権、生存権、平等権などの基本権原則を規定している。ところが歴史上如何なる国家とも差別化された、真の愛の神主義と共生・共栄・共義主義の理想を高度化された政体によって具現化すべき統一教憲法案は寧ろそうした権利規定を意図的に無視し排除している。

第17条(権利)

8.天一国国民の自由と権利は憲法に列挙されていないという理由によって軽視されない。

9.天一国国民の権利は天一国の定着と完成の為に必要な場合に限り法律によって制限することができる。

統一教憲法が規定した「天一国国民の権利」の7つの条項は、大韓民国憲法条文の中で部門別に具体化された権利規定から「平等権、参政権的基本権の中の選挙権と公務担任権、請求権的基本権の中の請願権と裁判請求権、生存権的基本権の中の教育権」というように何種類かだけを盗作レベルで持って来て改ざんしている。それすらも第9項の制限規定として仕上げてしまい、真正な国民権利規定としての意味を自ら喪失している。

統一教憲法は国民の自由権を完全に排除している。形式的な権利条文の中で第8項において「天一国国民の自由と権利は憲法に列挙されていないという理由から軽視されない」とし、大韓民国憲法の基本権尊重規定(第37条第1項)をそのまま真似て誤魔化しており、それもそれで終りである。国民の自由権とは、そのように単純に「軽視されなければよい」権利ではなく、最も積極的に生活で具現されるべき具体的権利である。天一国の最上位法である「家庭盟誓」の第4節では、「天宙大家族を形成し、自由と平和と統一と幸福の世界を完成すること」とされており、天宙大家族である祝福中心家庭の自由権とその価値を最優先に置いている。[8] それにも関わらず統一教憲法は自由権的基本権を「軽視」し、名文化していない。統治権力確保の為に国民自由権が犠牲にされているのである。天一国の国家形態と国民生活の特性に適合した自由権が保障されないなら、その他の基本権の享有も制約され、拘束と強制の公権力は合法化されるのである。

第18条(義務)

5.天一国国民は天一国摂理の為に誠金または献金をしなければならない。

 

「寄付または献金」が「しなければならない」義務事項になり得るのか。真のお父様は 「人類の福祉と平和の為の基金は税金形式ではなく、収入の10の3条の誠金として募金するが、強制ではなく自発的かつ喜びの心で天の前に捧げる心情の奉献でなければならない」と明示している。[9] このように天一国の租税は徹底して当事者の自発性と自律性による寄付や寄与であり、それに呼応する普遍的福祉として平和と幸福の生を保障しなければならない。そういう原則を制度化する努力なしに単純に「誠金」や「献金」さえ義務規定に含ませて強制しようとする行為が穏当なのか。

金孝律共同委員長は公聴会で「税金」という言葉を使うことができずに私たちに最も無難で上品な用語として「誠金または献金」を使ったと解明した。これは租税義務を無くすに値する境遇と力量に到達できない状況にあって、そのうえに経済力を安定的に確保するには既存の方式どおり「信仰と摂理」を口実にした献金収納の方法がはるかに「無難で上品な」方法ということに他ならない。それなら当然、真のお父様の摂理時代の日本の献金摂理体制を念頭に置いているのではないか。憲法と法律の美名の下に搾取を合法化し、強制的献金によって経済力を図ろうとする無気力で無能力な無頼の輩がどうして国家運営などできようものか。このような条項によって今後どれだけ多くの食口たちの犠牲が強要され強制されるか、誰も未来を予測できない。

第20条(権利の喪失と回復)

1.天一国国民が次の各号の行為をする場合には第17条に規定された権利の一部を喪失する。

(1) 神様と真の父母様の否定

(2) 天一国憲法の否定

憲法草案では「権利」ではなく「国籍」の喪失であったのが、最終案において所謂「調整」されたのである。三流の組織暴力団の内規に並ぶような低俗な規定、全く理屈に合わない自家撞着に他ならない。これは天一国創建の理念と価値観に全面的に反している。第12条(法の淵源)において「天一国の法は神様の真の愛と真の父母様のみ言に基づく」とした規定は偽りであり、本憲法の中の全ての条項が詐欺ということが立証されるのに充分である。完全な自由が保障された理想天国では「否定」できる自由さえも確保されなければならない。民主的選挙制度とは、賛否即ち肯定・否定に対する国民の権利の行使である。それにも関わらず敢えてこういう項目を明示したのは、国民の基本的自由権の剥奪に続き、形式に過ぎない権利条項さえも自分の意図に合わなければ剥奪させるという目論見に他ならない。

2)真の家庭と祝福家庭

第21条(真の父母様の家庭)

2.真の父母様の家庭は真の父母様との絶対信仰・絶対愛・絶対服従の関係性によって価値を持つ。

大枠で調べた憲法案の不純な底意が潜伏した体系上の問題は「真の父母様」と「真の父母様の家庭(真の家庭)」を遠く分離させて規定したところにある。即ち、「第1章(総綱) 第2節(真の父母様)」と、「第2章(天一国国民)第2節(真の父母様の家庭と祝福家庭)」を別途に規定している。そうしながら真の家庭は「真の父母様との絶対信仰・絶対愛・絶対服従の関係性によって価値を持つ」と明示している。しかし真の家庭は「真の父母様」だけではなく「神様」との「絶対信仰・絶対愛・絶対服従の関係性によって価値を持つ」と言える。天一国の最上位の母法である「家庭盟誓」の第8節には「絶対信仰、絶対愛、絶対服従によって、神人愛一体理想を成し、地上天国と天上天国の解放圏と釈放圏を完成すること」と明示されている。「絶対信仰・絶対愛・絶対服従」の志向点は「神人愛一体理想」と「地上・天上天国」の実現にある。

真のお父様は「神様はご自身全体を 100%投入し、絶対信仰・絶対愛・絶対服従の基準でアダム・エバを創造し、彼らの愛と生命の種として血統を下さった」と明かされた。「神様は父母の立場で無限大の宇宙を抱く為に、投入し忘れて無の境地に入られ」、父母は子女がより優れたものになるように願い愛する」と語られた。このように絶対信仰・絶対愛・絶対服従とは、先に主体が対象に率先する投入行為であって、対象に強制する義務要件ではない。主体が先ず対象の為に行い、これに対応して対象も主体の為に自発的かつ自律的に相互作用する行為なのである。かかる絶対性を含んだ信仰・愛・服従の相互関係の窮極的主体は神様である。[10] 特に家族関係とは心情の因縁による父子の関係を始めとして夫婦関係・兄弟姉妹関係において愛おしさと仲睦まじさによって結ばれる愛の関係である。[11] それにも関わらず統一教憲法は真の父母様と真の家庭の構成員の関係性を一方的な義務行為にのみ規定することによって真のお母様の地位の「絶対性」を過度に浮上させ、硬直した家族の関係性が構築されている。

第22条(真の父母様の家庭の義務)

1真のご父母様の家庭は、真のご父母様の伝統を相続し、これを受け継ぐために侍る生活をしなければならない。

2 真のご父母様の家庭は、模範的な品格を持たなければならず、真のご父母様のみ言に従順に生きなければならない。

「真の父母様の家庭の義務」もやはり硬直した垂直的規定に重点を置いている。相当数の真の子女様たちは既に祖父母の位置にあって大部分が公的活動をしているという点で包括的な役割規定が成されなければならなかった。天一国の最上位の母法である「家庭盟誓」の第2節には「天一国主人、私たちの家庭は真の愛を中心として、天の父母様と真のご父母様に侍り、天宙の代表的家庭となり、中心的家庭となって、家庭では孝子、国家では忠臣、世界では聖人、天宙では聖子の家庭の道理を完成することをお誓い致します」と明示されている。したがって真の家庭において「侍る」とは、「真の父母様(真のお母様)」に先立ち「神様」を前提とするものであり、その「侍る」ことを通じて共に成さなければならないもっと大きな価値の責務がある。但し縦的関係性によってだけではなく、家庭・国家・世界・天宙次元でそれに相応した横的な責務を果たすことによって各々高揚された価値を持つようになるのである。[12]

第24条(祝福家庭の義務)

1.祝福家庭は、真のご父母様の伝統を相続し、これを受け継ぐために侍る生活をしなければならない。

2.祝福家庭は、模範的な品格を備えなければならず、 真の父母様のみ言に従った絶対信仰・絶対愛・絶対服従の生を生きなければならない。

3.祝福家庭は、真の父母様の家庭を尊敬し保護する義務がある。

祝福家庭が天一国の心情文化の伝統に従い生活の中で遂行すべき義務事項が全く具体化されておらず、過度に当為的で垂直的だ。義務生活がまるでひまわりのように真のお母様のみに向かって立っている滑稽な姿を連想させる。真の家庭や祝福中心家庭は縦的に神様と真の父母様に侍り、横的には社会的環境と人類、広闊な宇宙森羅万象と無限大かつ永遠の天上世界を見つめる生の中で、それらの為に奉仕し寄与すべき公的義務を持つ。このような志向点は天一国憲法の最上位の母法である「家庭盟誓」の各節毎に例外なく忠実に反映されている。

特に絶対信仰は神様の創造理想に対する絶対基準の信念や価値体系を意味し、絶対愛はそういう信念と価値に対する具体的実践原理として相手の為の真の愛を定義したものであり、絶対服従は実践方法モデルとして授受作用の相互性による完全投入を言う。[13] それにも関わらず今日の統一家の指導層はこれを世俗的概念の統制規定程度に錯覚し、権力の道具化とし、時代に遅れ逆行する特権意識を固守し、体制維持に没頭している。そういう当事者たちの自覚によるパラダイム変化は期待し難い状況にある。したがって祝福中心家庭は自らすでに相続されている固有価値と位相の変化を正しく認知し、権利行為によって現場で積極的に実現させていかなければならない。

5.天一国最高委員会(第3章)

1)天一国最高委員会

25(最高議決機関)

天一国は最高議決機関として天一国最高委員会を置く。

第26条(構成)

1.天一国最高委員会は 13人で構成される。

憲法の条文全般をよく見ると、基本的には真のお父様の生前に奉呈され、真のお父様が手ずから検討された「天一国憲法基礎案」の枠組みと流れを真似た形になっている。政治的には平和の王、真の父母様中心の絶対王政制と憲法を基礎においた立憲制を不適合な形で混合させながら、民主主義の権力分立と協議型宗教的権威構造を折衷しようとしているように見える。しかし、それらの中枢に最高委という極少数の独占権力機関が君臨することによって、所謂「立憲王政制樹立」の夢は自己矛盾の装置によって瓦解させられている。真のお母様お一人を擁して国家体制と構造の上位に位置した最高委の無事安着に没頭した挙句に、主に中央集権型権力構造を持つ国家統治体系や宗教団体の権威構造を外見的に取捨選択して骨格を作り上げている。内容的には大韓民国憲法条文を盗作レベルで改ざんしており、その他の幾つかの諸国及び宗教団体の憲法などを皮相的次元で参照した粗雑性を見せている。これにより神様の真の愛の皇権を中心とした宗政一致の普遍的理想国家、真の血統の真の家庭を中心とした実体的平和理想世界王国の創建理念は、拘束力のある法体系として実現できていない。ただ、実現の意志が稀薄な宣言的な文句のみが列挙されているに過ぎない。

最高委はモルモン教などの集団指導体制に着眼したと伝えられている。実際には過去の北朝鮮の首領の地位に真のお母様を擁立し、社会主義的統治原理である「民主主義的中央集権制」による一人独裁運営体制と朝鮮労働党の集団主義の独裁権力の地位に近い。全ての国家権力は最高委に集中し、五権分立による国家機関は最高委によって決定される主要政策を執行する執行機構に過ぎない。自然に主要公職は最高委の人脈によって埋められるようになる。このように統一教憲法は真のお母様の絶対王権代行の名分でその名義を僭称した極少数の集団が統一教の教権を合法的かつ効率的に掌握し、世界基盤を支配しようとする貪欲な権力争取企画案に他ならない。施行法律である「天一国最高委員会運営に関する法律案」(2013.9.28) 第2条(位相)では「最高委員会は天一国の最高議決機関として天の父母様と真の父母様の意志を代身する」と明示されており、こういう目的意識を濾過することなく赤裸々に露呈している。こういう目的成就の為に天一国の創造的革命的創業君主としての真のお父様の絶対権威と地位の唯一性を黙殺し、巧みな論理的操作で真のお母様を同格の地位に代わりに置くことにより現存の権力背景を最も効果的に盗用しようと身悶えしている。

2)委員長・副委員長制

第27条(委員長・副委員長)

1.天一国最高委員会の委員長は、真のご父母様の家庭の中から真のご父母様が任命し、天政院の世界会長職を兼任する。

2.天一国最高委員会の副委員長は、真の父母様が任命し、委員長がやむを得ない事由で職務を遂行することができない場合や委員長の委任がある場合にその職務を代行する。

最高委委員長兼天政院世界会長は真の家庭の中から真のお母様が任命することになっている。法制委は初期から文亨進様を運営委員長に内定し、真のお母様の命令により二世家庭の指導者たちを米国に派遣して接触を試みた。事実上 2010年6月5日に真のお父様を無理やり説得し、「文亨進代身者・相続者」の揮毫を得るには真のお母様の助けが決定的であったものの、実際に真のお父様が聖和されると期待していた実質的地位は保障されていない。[14] 米国に行った文亨進様は去る8月14日に一時帰国した時も、真のお父様の元殿に参拝し、真のお母様と僅か10分余り対面した後、すぐに帰ってしまった。最近ペンシルバニアの自宅で独立的な牧会活動を始め、真のお母様と米国教会が問題視していることが伝えられている。こういった一連の状況に備えて憲法最終案に副委員長制が新設されたのである。

もしも真のお母様に万が一のことがあって真の家庭が決裂状態を繰り返す場合、権力層は真の家庭の子孫の中の赤ん坊でも座らしておいて唯一独占権を貪欲に掌握するであろう。そのような状況が実現すれば、それこそ真の家庭は天一国の有名無実な象徴的存在として残される。日本の象徴天皇制程度になり下がるとしても、それでもまだ幸いと言えるかも知れない。主要権力者たちはいっそのことそういう好機が到来するのを切実に念願しているのかも知れない。こういったあらゆる弊害と悖逆の素地を源泉から根絶する為には最高委が撤廃されなければならないのである。

勿論、最高委のような性格の機構でも成り立ち得る唯一の場合がある。それは正に真のお母様が聖聡(帝王としての聡明さ)を回復し貪欲な指導者たちを正しく整理され、真の家庭の三代圏が秩序整然と和合統一し完全定着した後に名実共に天一国の中心軸を確立して下さる時である。現在の真のお母様が最も急がれるべきことは、統一教会を良く作り上げることではない。既に中心となる芽が折れた木の枝に一体何の豊穣の結実を期待することができようか。したがって真の家庭を天一国のモデル的典型として堅固なものとして立て、一つの意志で国家体制と機構を導くことができる力量を確保することが急先務だ。それによって神様と真の父母様の永遠の真の愛・真の生命・真の血統の相続の土台が構築され、子々孫々万民を永続的に治理なさることができるようにならなければならない。

3) 無所不為の独占権力中枢

第30条(審議・議決事項)

天一国最高委員会は次の各号を審議及び議決する。

1.  真のご父母様の指示の履行に関する事項

2.  天一国の理念と政体に関する事項

3.  天一国国民の権利・義務・信仰に関する事項

4.  天政院・天議会・天法院・天財院・天公院が上程した事項

5.  天一国憲法の改定に関する事項

6. その他に憲法と法律が定める事項

 

最高委は真のお母様の指示を口実にした命令と履行の可否を全て統制し、天一国の政体と理念の枠さえも必要に応じて変え、国民の権利・義務・信仰に関する事項まで決定し、五権権力機関の上程事項を完璧に統制する。憲法やその他の法律までもいつでも勝手気侭に変えることができる。優に無所不為(=全能)の権限に違いない。こうして五権権力分立の主旨は無力化される。そういう意味から「天一国最高委員会運営に関する法律案」第3条(審議・議決事項)では「天政院摂理機関長の任命提案、天議会臨時会の要請、天法院法官任命提案、天財院委員任命提案、天公院委員任命提案、真の父母様の事故遭遇時に関する事項、世界会長事故遭遇時に関する事項」を補っている。

さらには統一教憲法の決定的な盲点は正に政党の存在を排除したことである。政党制とは、国民の政治的参加と意思形成を通じた民主的国家運営の花と言える。原理では国家政党とは人体の脊髓を中心とした末梢神経に匹敵するものとされている。[15] 真のお父様は 「堂とは真の神様と真の父母を中心として真の子女様を教育する家、天理によって王権を相続する家庭の道理を教える家、世界の女性たちがお母様を中心としてカイン・アベルを教育してお父様を復帰する堂」など、超党的教育党として規定し、世界平和統一家庭堂、天宙平和統一家庭堂、または平和統一家庭堂などを通じて神様祖国定着摂理を現実性あるものとして推進してこられた。[16] ところが本憲法にはこのような根拠による諸規定が全面的に欠落している。政党の機能と役割を否認する構造は国民の参加や自由な意思形成が徹底的に無視される形態であり、真のお父様の国家創建理念と真正な天一国国家体系理想に反する逆行と言える。

4)真の父母様の権限代行規定

第33条(権限代行)

真の父母様の事故遭遇時には委員長を中心とした天一国最高委員会が憲法と法律が定めるところにより真の父母様の権限を代行する。

真のお母様の健康上の事由などにより限定的政務代行の要請はあり得るものの、それが王位の「権限代行」になることはできない。その上に執務不可能な状況や聖和時には「権限代行」ではなく正常な手続きによる「権限承継」が成されなければならない。しかし、如何なる場合でも天的な王位を少数の集団協議体である最高委が引き継ぐことはできない。それにも関わらずこの法案は、王権継承原則や戴冠・即位の手続きに対する定義もなしに、最高委に全ての大権を委任させてある。これは即ち真の血統の皇権を無力化する陰謀を成文化した反逆の物証に他ならない。しかも「(真のお母様は)必要な場合、国事に関する権限(最高決定権)を委任することができる」(第6条第2項)という安全装置まで準備されている。

「天一国最高委員会運営に関する法律案」第4章(真の父母様権限代行)第22条(真の父母様事故遭遇時)では、「1.次の場合を真の父母様の事故にする。(1) 聖和 (2) 心神喪失 (3) 真の父母様の直接的な権限委譲」と規定し、「2.真の父母様事故遭遇時の委員長は委員が全員参加する臨時会議を直ちに召集して満場一致の議決を経て最終確定する」とされている。如何なる場合でも真のお母様の最後命運が最高委の手中に握られていることを明示した規定である。

第24条(権限代行)では「1.真の父母様事故遭遇事項の公布と同時に最高委員会は臨時会議を召集し、真の父母様の権限代行体制の為の憲法及び関連法律の改定を進行する。2. 最高委員会の権限代行体制は改定された憲法と関連法律が公布された直後に施行される」とされ、真のお母様事故遭遇時と同時に最高委が憲法及び関連法律まで一瀉千里に覆して天的な皇権を直ちに専横するように規定している。こういう法律が憲法と共に頒布施行される時、その時刻以後に誰よりも危うい方は真のお母様である。そういう場合は天一国は無法天地の風前の灯火の悲惨な情景に置かれざるを得ない。[17]

こういう過程を原理的に整理してみよう。太初に神様の摂理的経綸の全貌を把握していた天使長ルーシェルがエバを口車に乗せ誘い込んで蹂躙した後、そのエバをそそのかしてアダムのアイデンティティと地位をも破壊させた。そうして次々とエバの人生を陵辱し、偽りの王位に就いて子々孫々汚れた血筋によって人類子孫万代を侵し奪い弄んだ。正にそういう破倫と悖逆の惨状が今日の時代にそっくりそのまま再現されるのである。

このように不健全な憲法条文の何処にも真の家庭構成員による継承原則は痕跡すら見当たらない。真のお母様が真の家庭復元を成功できなかったり、その意志が微弱な場合、 天一国の後継構図は法統主義の美名の下に真の血統の主流から逸脱されていく。いくら真の家庭でも幼くて脆弱な象徴的な代案人物をもってしては、執拗な貪欲の荒波をかきわけ進むということのほうが不可能に近いからだ。したがって真のお母様は順理どおり真の家庭の主流の責任権を立て直し、堅固な結束力の中心軸を回復すべきことが当面の急務と思われる。

6.天一国の地域自治(第9章)

1)大陸自治及び国家自治

第1節 大陸自治

第71条(大陸会長)

1.大陸会長は、世界会長の提請により真の父母様が任命する。

2.大陸会長は、法律が定めるところに従いその任命権者が解任することができる。

第74条(組織と運営)

大陸自治に必要な組織の構成と運営に関する事項は法律で定める。

第2節 国家自治

第75条(国家メシヤ)

1.国家メシヤは法律が定める要件を備えた者の中から真の父母様が任命する。

2.国家メシヤは法律が定めるところに従いその任命権者が解任することができる。

3.国家メシヤは国家会長の顧問役を遂行し、国家自治に関する国家会長の諮問に応じる。

第76条(国家会長)

1.国家会長は世界会長の提案により真の父母様が任命する。

2.国家会長は法律が定めるところに従いその任命権者が解任することができる。

第79条(組織と運営)

1.国家単位の組織と運営は天一国の組織と運営に準する。

2.国家単位の組織と運営に必要な事項は法律で定める。

いわゆる天一国の世界体制が真の父母様の任免権を口実にした最高委の独裁統治体系の中に既存の宣教国管理組織図を挟み込んだ形だ。実に嘆かわしく憤怒すべき悲惨な情景である。

2)天一国の政体と統治体系

真のお父様に生前時に実現しようとされた天一国の世界統治体系は、神様の真の愛の皇権である万王の王の地位を頂点に、12大陸支派王権を通じて運営される地域分権自治制だった。このような統治理念は真のお父様が真の父母様天正宮入宮・戴冠記念揮毫(2006.6.16.)で下さった「天一国 真聖徳皇帝 億兆蒼生 万勝君皇 太平聖代 万事亨通」に明示されている。この日に宣言された「天一国皇帝、君皇」はそれ以後、摂理史的進展によって12大陸区画及び12支派の編成とカイン193ヵ国・アベル194ヵ国の分捧王及び各平和大使と平和軍・平和警察などの編成基台の上に 2009年1月の万王の王神様解放圏戴冠式と真の父母国連創設を通じて実際的に確立された。[18]

真のお父様は「平和神経」において「四大心情圏と三大王権を完成した新しい家庭を通して世界の版図を越えて成約時代の型を備えるようになる時に一つの世界、即ち平和理想天国の世界になる」と力説した。「家庭盟誓」第3節では「天一国主人、私たちの家庭は真の愛を中心として、四大心情圏と三大王権と皇族圏を完成すること」と明示されている。このように家庭的・氏族的基盤において成就した真の愛の理想実現の三大権限及び環境圏が天一国体制を通して国と世界と天宙次元で実現できることを念願した。第7節では「真の愛を中心として、本然の血統と連結された為に生きる生活を通して、心情文化世界を完成すること」と明示されている。天一国はその国民である祝福中心家庭単位の全ての構成と体系が真の血統の根である真の家庭に連結された土台の上に相互に為に生きる生活文化を通じて神様の真の愛の価値を天宙的心情共同体として実現するようになるのである。それゆえ真のお父様は「万物は勿論、太陽までもそれなりの基準と形態の中で、真の父母、真の家庭に侍って共鳴圏を成して為に生きる生、即ち真の愛、真の血統圏の世界に住みたがる」と説き明かされた。[19]

真のお父様は「国の為に生きる家門の伝統を永遠に守ってこそ子孫が中心の座を守り抜く。12人の息子娘が6大州12国家に配置されて父母様を代身して中心の位置から教えなければならない」と強調された。また、「神様の前に父母様と12人の息子娘たちが一つになって神様の決定に従って行くのだ。そこに従って行く息子娘たちを中心として 65億人類が氏族的メシヤ、国家的メシヤになったとしても、全部がカイン・アベルの兄弟圏内に包括される。平和大使と分捧王たちが一つになって先生の息子娘たちと一つになることによって真の父母を中心とした血筋が連結される。神様と先生が一つになった血筋、その息子娘たちが一つになった血筋、その次にサタン世界の血筋が一つになってカインとアベルによって父母を中心とした新しい国連世界が登場する。それゆえ憲法絶対権の時代だ。国会の会議を通じて決定したことを発表してしまえば、それで終わりだ。そうすれば、その世界は永遠の天の眷属の治理圏内に進入せざるを得ない」と力説された。[20] したがって実体的天一国時代はお一方であられる神様の心情に回帰される天情時代として、「神愛人協会」により神様と人間が一つになり、「霊連世協会」により実質的霊・肉界統一を完成して「天一国協会」を通じて天理と天道により摂理を経綸なさり万有を治理なさるようになると語られた。[21]

ところが統一教憲法の「地域自治」(第9章)の条項では、平和警察と平和軍と教政団、平和大使及び分捧王制度、議会両院制、12支派原則、真の父母国連、万王の王の勝利圏、天一国協会などが全面的に排除されている。真のお父様の創業理想を全く盛り込むことができていない大陸自治・国家自治という美名により最高委が画一統治するのに容易な便宜的体系の皮相的な条項が列挙されている。したがって真の家庭の構成員が速やかに定着した後に天一国協会を中心とした最高合議体として皇国最高委員会を定立し、真の血統を根源とした世界地域分権を樹立しなければならない。真の父母国連を頂点として12支派王と各国のカイン・アベル分捧王及び国家メシヤ・新氏族メシヤたちを通して世界基盤を治理するようにならなければならない。各自治組織の公職者は地域選挙権によって選出して地域の特性と地域民の自律権を保障することによる多様性の伸長を通して真の愛の心情文化を多彩に花咲かせることができるようにならなければならない。[22]

締め括り

「天一国憲法」を口実に作成された今日の統一教憲法は、その制定の為の前提要件基盤の現実的脆弱性と施行の時期的不適合性などによって本然の天一国理念・理想と体系が全く盛り込まれていない。致命的な問題点は天一国定着実現の為の真の家庭の役割と承継原則が完全に排除されていることにある。これは神様の真の愛の皇権が皇室と皇国に定着することに対する集団謀反の陰謀を巧妙かつ狡猾に成文化した確固不動たる物証と言える。どんな形態の憲法案であれ、天一国の中核であり中心軸であり真ん中の芯の芽である真の家庭構成員の共感と同意は必須の先行要件である。これを黙殺し無視したまま、少数集団権力の無所不為の専横を合法化する統治構造と体系樹立の謀議は当然ながら反摂理的な悖逆行為なのである。その結果、天一国創建の土台となる国民の神聖な自由と権利を無視して疎かにしながら義務と犠牲のみを強制することで国民の為の国家実現は全く期待できなくなった。

今日の「天一国憲法」は歪んだ人格の貪欲な極少数の群れが自己満足の独立王国を夢見る 21世紀奇形的奥地村落で寄生している新種の奇病のようだ。これによりどれほど多くの罪無き生命と人生が蹂躙され、絶望のどん底に陥れられることか、実に想像すらできない悲惨な状況にある。したがって、こういう危険極まりない毒性を内包した悪質な文書は直ちに火の中に投じて完全に焼却しなければならない。同時に名実共の実体的天一国の前提要件の基盤確保に皆が全力を尽くして当然であり、そういう土台の上に天一国の最上位の母法である真のお父様制定「家庭盟誓」を始めとしたみ言の真髄を法源として再確立し、天一国創建理念・理想を忠実に反映した法制作業を最も相応しい時期に合わせて衆知を集めて新たに始めなければならない。客観性と公正性と妥当性のある研究及び検討作業と実質的な意味を持つ公聴会など意見収斂過程を通じて万人の共感と支持と同意を得るに値する体制と内容水準の憲法を再制定しなければならない。*


[1]「韓鶴子総裁古希記念文集」、『真のお母様生涯路程』、(ソウル: 成和出版社、2012)、283-396、金ハンジェ •文ソニョン(鮮文大)共同執筆、「真の父母神論・真のお母様神論・真の父母メシヤ論・真のお母様メシヤ論」参照。

[2] 文鮮明先生み言編纂委員会、『文鮮明先生み言選集』、(ソウル: 成和出版社)、第367集、275~6;第425集、137.

[3] 「家庭盟誓」2、4、6節の「神様」が「天の父母様」に、8節の「成約時代」が「天一国時代」に改ざんされ、7節の「本然の血統と連結された」と「為に生きる生活を通して」の順序を一旦変えて再び元に戻すというハプニングがあった。

[4] 世界平和統一家庭連合、『平和神経』(平和メッセージと霊界報告書)、(ソウル: 成和出版社、2008)、262~3。

[5]『文鮮明先生み言選集』、第341集, 143~4、215、228~9、231~2、293、310~4;第342集、249、261~4、276~7;第343集、119~20;第555集、265。

[6]『文鮮明先生み言選集』、第431集、335~6;第433集、110~1;第434集、210;第443集、137;第452集、94、212~4、219~20;第453集、168;第456集、267~8;第457集、34;第463集、174;第473集、71;第481集、216~7;第484集、11~5。

[7]『平和神経』、54、124、149~50、177~8、217~8、251~3、260~2。

[8]『平和神経』、257~60。

[9]『平和神経』、90。

[10]『文鮮明先生み言選集』、第348集、91;第351集、289~90;『平和神経』、28、38。

[11]『平和神経』、45、66~7.

[12]『平和神経』、253~6、262.

[13]『平和神経』、265~6.

[14] 摂理とみ旨を愛して守る祝福家庭会篇、『神様の摂理と真の父母のレガシーを守る為の摂理的葛藤に対する真の視覚と理解―総合版』(上)、(ソウル: グローバルファミリー、2012)、97-100.

[15] 世界基督教統一神霊協会、『原理講論』(標準横書 39刷)、(ソウル; 成和出版社、1995)、 497-500。

[16]『文鮮明先生み言選集』、第234集、251~2;第235集、45~6;第240集、318~42;第241集、185、238、265~76;第357集、20;第358集、55;第372集、224;第407集、77~8;第431集、268~70;第432集、85~6;第433集、76~7、84~6;第436集、43-51、146;第437集、91;第442集、125;第443集、10~1;第444集、160~1;第471集、171~2;第477集、145;第482集、82~4;第483集、145;第567集、321~3;第571集、276~80;第572集、161~2、223~6、240~4、258~63;第574集、68、89、289~90;第576集、316;第577集、35~6;第587集、192~3、244~9、261~2、270~3;第592集、215;第593集、273。

[17]「天一国最高委員会の運営に関する法律案」付則には「心身喪失」の場合に対して「心身障害によって事物を弁別する能力がない或いは意思を決定する能力がない状態を言う。心身喪失による責任無能力者になる為には心身障害という生物学的要素と、心身障害によって事物の弁別能力と意思決定能力がないという心理的要素がなければならない。・・・心身喪失の生物学的基礎として行為者が心身障害状態にあるか否かは専門家の助けによって確定することができる。しかし、このような心身障害によって事物を弁別する或いは意思を決定する能力があるか否かは、あくまでも法官が決めるべき法的規範的問題に属する。それゆえ法官が鑑定人の鑑定に基づきそのとおり判断するか或いは他の判断をするのかは法官の裁量に属する」との資料を添付している。

[18]『平和神経』、284~6、302~6;「統一世界」、第452号(2009.2)、64-83、特集Ⅱ-万王の王神様解放圏戴冠式;98-101、清平消息;112~7、今月の消息。

[19]『文鮮明先生み言選集』、第296集、317;第297集、209~10、312;第308集、18-20、153~4;『平和神経』、257、265、306。

[20]『文鮮明先生み言選集』、第361集、219~20;第609集、128、130~2;真のお父様のみ言、2009.10.8.

[21]真のお父様のみ言、2009.10.8、10.10、10.11、10.13、10.15、10.17、10.19、11.11、11.30、12.1、12.2、12.3、12.22、12.26;2010.1.3、1.5、1.19、1.28、1.31、2.7、3.8、4.22、4.23、4.26、4.27、5.2.

[22]『平和神経』、33~4、81~2、202、246。

 
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投稿者: : 2013年12月9日 投稿先 未分類

 

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